第3章:【循環】Day 54
S1 #054 |「してあげている」という傲慢さを捨て、原点に帰る
〜「提供者」という立場に溺れず、出会いの奇跡に感謝する「究極のホスピタリティ」〜
成果が出始めたときに潜む「慣れ」の罠
仕事に慣れて成果も出始め、自分の専門性が高まってくると、無意識のうちに相手に対して「教えてあげている」とか「サービスを提供してあげている」といった、どこか上から目線の気持ちになってしまう。そんな心当たりはありませんか?
実は、私自身にもそんな過去があります。
起業初年度に年商が1億円を超え、当時は必死だったので何とも思いませんでしたが、感染症流行で事業を一旦たたみ、コンサルティングやスクール事業に切り替えた後、すぐに結果が出たのです。
「自身の事業でも、他の方の事業でも結果が出せる」という強い自信。それは大きな力になった一方で、いつしか「慣れ」の中に潜む傲慢さになっていたのではないか、と今では振り返ります。
第3章のテーマは【循環】です。本当に大切な根幹の部分だからこそ、何回でも、視点を変えて深掘りしたり、違う角度から光を当てたりしながら、あなたの心にしっかりとインストールしていきたいと思っています。今日は、そんな傲慢さを手放し、信頼を築き続けるための「心の原点」をお話しします。
プロの壁は「慣れ」と「傲慢さ」の中に現れる
福岡で32年という長い年月、数々の荒波を乗り越えてきたプロフェッショナルは、ある言葉を店内に掲げ、毎日その原点を確認し続けています。それが、「何時(いつ)も来ていただいているという感謝の気持ち」という言葉です。
- 「管理」ではなく「ホスピタリティ」へ:私たちは自分の仕事に自信を持つほど、無意識に相手を自分のルールに当てはめようとしたり、効率を重視して「管理」しようとしたりしてしまいがちです。ですが、プロフェッショナルは違います。お客様を「預かってあげている」のではなく「遊びに来ていただいている」と捉え直すことで、サービスの本質を「傲慢な管理」から「心からのホスピタリティ」へと進化させているのです。
- 専門性の罠を突破する:キャリアを重ね、知識が増えると、つい「プロの自分が正解を知っている」という態度が出てしまいます。しかし、成功を永続させる人は、創業30年を超えてもなお、最初にお客様に来ていただいた時のあの「震えるような感謝」の原点を忘れません。この「謙虚さ」が、相手に安心感を与え、言葉を超えた信頼の循環を生むのです。
- 「してあげる」を「させていただく」へ昇華させる:仕事の目的を一段上のステージへ引き上げるためには、この主語の変換が欠かせません。「してあげている」という自分中心の枠を超え、今の仕事が「誰かの喜び」に繋がっていることに感謝し、その機会を「させていただいている」と捉えること。これは決して自分を低く見積もることでも、評価を下げることでもありません。そこにあるのは、純度の高い「感謝」そのものなのです。
今日から「感謝の原点」を磨く2つのアクション
活動を「傲慢」から「誠実な感謝」へとアップデートするためのヒントです。
- ① 「大切な時間を割いてくれた奇跡」に感謝を唱える:相手が自分のサービスを選んでくれたこと、時間を使って目の前にいてくれることに対して、心の中で「お時間を割いてくださり、本当にありがとうございます」と唱えてみてください。余計な気を遣わせず、対等で心地よい関係を築くために、言葉のトゲをそっと削ぎ落とす。その意識が相手への敬意となり、あなたの表情や仕草に自然な「緩み」と「温かさ」をもたらします。
- ② 「初めての日」の気持ちを10秒間、思い出す:今日、誰かと会う前や仕事を始める前に、自分がこの活動を始めたばかりの頃の、あの初々しい不安と大きな感謝を思い出してみてください。その原点に立ち返るだけで、今の自分の「慣れ」が削ぎ落とされ、目の前の相手を「大切な誰か」として、真っ直ぐに見つめることができるようになります。
★宮田のここだけの話 〜「対等なめぐり」にトゲはいらない〜
実は最近、「言葉の響き」について深く考える機会があったんです。よく感謝の文脈で「わざわざありがとうございます」って言ったりしますよね。でも、言われた側からすると、どこか『上から目線』に聞こえたり、『余計な負担をかけたかな?』と少しだけ刺さるトゲを感じることがあるな、と気づいたんです。変に気を遣わせず、自然体で、対等に心地よく循環したい。そう思ったとき、私たちは言葉のトゲをそっと削ぎ落として、純度100%の『出会えて嬉しい、時間を使ってくれてありがとう』という気持ちだけで向き合えばいいんだな、と。傲慢だった過去の私に、いま一番教えてあげたい智恵かもしれません。
傲慢さを手放したとき、温かな「ありがとう」が戻ってくる
「してあげている」という傲慢さを手放したとき、あなたの世界には、より豊かで、より温かな「ありがとう」のめぐりが戻ってきます。原点を忘れずに歩むその背中が、多くの人の信頼を惹きつけるのです。
誰かの喜びを、明日の力に。
宮田えみ
コメント